いにしへの文みるたびにおもふかな
おのが治むる國はいかにと
葦原の瑞穗の國のよろづ世も
亂れぬ道は神ぞひらきし
さしのぼる朝日のごとくさはやかに
もたまほしきは心なりけり
もたまほしきは心なりけり
よきをとりあしきを捨てゝ外つ國に
おとらぬ國となすよしもかな
うけつぎし國の柱の動きなく
さかえゆく世を尙いのるかな
あしはらの國富まさんとおもふにも
あをひとぐさぞ寶なりける
ひらけゆくときにいよいよあふがれぬ
ひじりの御よのたかき敎へは
鬼神も泣かするものは世の中の
人の心のまことなりけり
いかならむことにあひても撓まぬは
わが敷島の大和だましひ
國の爲仇なす仇はくだくとも
いつくしむべきことな忘れそ
國民のちからのかぎり盡すこそ
わが日の本のかためなりけれ
世の中の人におくれをとりぬべし
進まむときに進まざりせば
開けゆくみちにいでゝも心せよ
つまづくことのある世なりけり