2016年11月3日木曜日

明治天皇 御遺製

四方よもの海みな同胞はらからとおもふ世に
     など浪風の立ちさわぐらむ

千早ちはやぶる神のかためし我が國を
    民と共にも守らざらめや

國をおもふ道に二つはなかりけり
    いくさのにはに立つもたぬも

敷島の大和心の雄々しさは
    事ある時ぞあらはれにける

事しあらば火にも水にもいりなむと
    思ふがやがてやまとだましひ

敷島のやまと心をみがけ人
    いま世の中に事はなくとも

山を拔く人のちからも敷島の
    やまと心ぞもとゐなるべき

よろづの民よ心をあはせつゝ
    國にちからをつくせとぞおもふ

弓矢もて神のをさめし國ひとは
    ことなき世にも心ゆるぶな

うつせみの世のためすゝむいくさには
    神も力をそへざらめやは

ちよろづの仇にむかひてたわまぬぞ
    日本やまとをのこの心なりける

身をすてゝいさををたてし人の名は
    國のほまれと共に殘さむ

外國とつくににかばねさらしゝますらをの
    たまも都に今日かへるらむ

國のためいのちをすてしものゝふの
    たまや鏡にいまうつるらむ

靖國のやしろにいつくかゞみこそ
    やまと心のひかりなりけり


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